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2021.10.31.産み分け

【医師監修】もしかして夫は男性不妊?原因を調べる精子検査とは

不妊治療を続けてもなかなか授からない場合、不安や焦りが募るものです。子宮や排卵など女性に異常がない場合「なぜ授からないの?」と不思議に思いがち。ですが、不妊の約半数は男性側に原因がある「男性不妊」といわれています。
そのため不妊傾向のご夫婦は、「精子検査」を早めにおこなうことが治療に有効です。

今回は精子検査について、概要や流れ、メリットなどを解説します。不妊で悩む方は、ぜひ知っておきたい内容です。

妊活中なら知っておきたい男性不妊

卵

男性不妊の原因の一つである、無精子症。まずは、概要を見ていきましょう。

不妊の原因とは?実は男性にも原因がある

そもそも、不妊の原因とは何なのでしょうか?

女性が原因の場合だと、「排卵がされていない」「排卵時期が不規則」「子宮の機能に問題がある」……などがイメージとして浮かぶでしょう。こうした原因が特定できれば、適切な治療をおこなえるため、改善が見込めます。とはいえ、子宮や排卵状況に問題がなくとも妊娠に結びつかない「原因不明」な方も多くいらっしゃいます。なぜなのでしょうか?

原因の一つとして、男性に問題があるケースが挙げられます。実際に世界保健機関(WHO)は、不妊で悩む方の約50%は男性に原因があると報告しています。

もちろん、男性と女性両方に異常がなくとも授からないケースも存在していますが、約半数の割合で男性に原因があると考えられるのです。

不妊傾向の方は、男性に原因がある可能性も視野に入れておきましょう。

男性不妊の原因とは

結論として、男性不妊の原因は「精子を作る機能や精子の質や状態などに異常があるから」です。

以下、主な原因をまとめました。

・精子を生産する過程で問題がある(造精機能障害)
・精子を体外へ運ぶ機能など、性器の機能に問題がある(精路通過障害、感染症など)
・勃起や射精ができないなど、精子を体外へ出す機能が働いていない(性機能障害)

そのほか、遺伝や染色体に異常がある場合や原因不明のケースもあります。

多くの原因は「精子の生産過程や性器の機能に問題があるケース」です。そもそも精子が体外へ放出されていなければ、自然妊娠は見込めません。こうしたケース場合、男性の性器内で障害が起きている箇所を直接治す手術をしたり、精子を性器から直接採り出す手術をおこなって治療したりする必要があります。

不妊の原因になる精子の状態

前述したような原因とは、どのように判明するのかと疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。実は精子の状態を調べると、およその原因が推測可能です。

不妊の原因になる精子の状態には、以下のような特徴があります。

【不妊の精子の特徴】
・量が少ない、濃度が薄い(乏精子症)
・存在しない(無精子症)
・運動量が少ない(精子無力症)
・形が異常(奇形)

例えば、数が少ない「乏精子症」や全く存在していない「精子無力症」の場合、性器の機能自体や精子の生産過程での障害が不妊の原因として考えられるのです。

また精子は、日によってコンデションが変わります。精子は存在しているけど奇形や運動量が少ない場合は、機能や生産過程はもちろんですが、体調不良や生活習慣、ストレスなどが原因であることも。その場合、生活習慣や食事の改善などで精子の質が良くなる可能性があります。

このように精子の状態を調べることで、不妊の原因を予測できるのです。

精子の状態を調べる精子検査について

男性不妊の原因には、精子の状態が大きく関係しているのです。精子の数や質を調べる精子検査について、解説します。


不妊なら要検討!精子検査とは

結論として、不妊傾向があるなら早めに精子検査の受診が有効です。

精子検査とは、文字通り精液の状態を調べる検査です。男性の精液を採取し、医療機関にて「不妊の原因となる状態かどうか?」を各項目別に判定します。不妊の原因はもちろん、今後の治療の方針を検討できるため、妊娠への近道といえるのです。

何が分かるの?精子検査で調べる項目

検査では、具体的にどのような要素が分かるのでしょうか?

一般的な各検査項目をまとめました。

【検査で調べる項目】
・精液の量
・精子濃度
・精子の数
・運動量や運動率
・形態
など。

上記の項目をチェックし、基準値を上回っているかどうか?で妊娠に有利かを判定します。特定の項目の数値が下回っている場合、医師が不妊の原因を探ったり、次のステップの検査などを提案したりします。

ただし精子の状態は、検査当日の体調やストレスの有無によっても大きく変動します。一度の検査結果が思わしくない場合は、体調を整えての再検査がおすすめです。

精子検査の一般的な費用や流れ

検査は不妊治療をおこなっているクリニックや病院、泌尿器科にて受診可能です。費用は各機関やメニューによって異なりますが、保険適用外で約5,000円~10,000円。

以下に、一般的な検査の流れをまとめました。

①予約後、初診の場合医師による診察・説明
②約2日~5日禁欲する
③病院の個室にて、自身で精液を専用の容器へ採取(または自宅にて採取して持参)
④採取して1時間以内に医師に提出し、検査(約1時間~2時間で検査結果が出る)
⑤医師による解説やアドバイス

詳細の流れや費用が気になる方は、事前に各機関に問い合わせましょう。

また最近では、自宅で精液を採取し、宅配で専門の機関へ郵送する「検査キット」を提供しているサービスもあります。病院に通う時間がない方や心理的に抵抗がある方は、こうしたサービスも検討するのもよいでしょう。

精子検査を受ける3つのメリット

医師

検査が妊娠へ活かせるイメージが湧けば前向きに治療に取り組めたり、パートナーに検査を協力してもらえたりしやすいもの。

そこで、検査を受けるメリットを3つにまとめました。

1.治療の費用や時間を節約

不妊治療は、費用はもちろん時間もかかります。パートナーも協力して精子検査を早い段階でおこなうことで、より不妊の原因を絞ることができ、効果的な治療が可能です。結果として妊娠を早めることに繋がります。

2.負担が少なく不妊の原因が予測可能

治療のステップが上がるにつれ、経済面ではもちろん、女性側の心身の負担も大きくなります。体外受精などは、時間がかかる上に卵子の採取時に痛みを伴うことも。一方で精子検査は痛みもなく、コスト的にも負担が少ないです。

3.医師による効果的なアドバイスや治療の提案

検査結果を元に、直接医師による具体的なアドバイスや今後の治療の選択肢を提案してもらえます。自分たちでは気付かなかった原因や治療方法、今後の手段が得られるでしょう。

以上が、3つのメリットです。

治療は負担が大きく、特にステップが進むにつれ女性側の負担が大きくなるもの。その前に男性が精子検査を受診するのがよいといえます。

妊娠はパートナーとの共同作業です。検査を検討されている場合、上記のメリットふまえて、まずはパートナーとよく話し合うとよいでしょう。女性が一人で抱え込まず、パートナーに積極的に悩みや治療についての気持ちを共有し、検査に協力してもらうことが妊娠への近道です。

まとめ

まとめ

本記事では、精子検査をテーマに概要や流れ、メリットなどを解説しました。

不妊の原因は、男性と女性どちらにも可能性があります。早めに原因を探り、効果的な治療をおこなうために、まずは心身とも負担の少ない精子検査の実施を検討されてはいかがでしょうか?

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監修

中林稔

中林稔

産婦人科医 / 三楽病院産婦人科

日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。

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