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2021.07.26.産み分け

【医師監修】喫煙は精子の質に影響する?男性も妊活すべき理由


妊活中の女性が喫煙すると、妊娠しづらくなることが分かっています。では、男性の場合はどうでしょうか。タバコが精子の質に何らかの悪影響を及ぼすことはあるのでしょうか。今回は男性が喫煙することによる妊娠へのリスク、そして男性も取り組むべき妊活方法をご紹介します。

男性の喫煙が妊活にもたらすもの

「タバコが妊活に悪い」とはいうものの、具体的にどんな問題があるのでしょうか。ここでは男性の喫煙がもたらす妊活への影響についてまとめました。


勃起しにくくなる

タバコを吸うと、勃起不全(ED)に陥るリスクが高まります。タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる作用があります。血管が収縮すると性的な刺激を受けても陰茎に血液が流れ込みにくくなり、勃起不全につながってしまうのです。

1日の喫煙量が11~20本だと非喫煙者の約1.5倍、21本以上だと約1.65倍の勃起不全リスクがあるとされ、本数が多いほどリスクが高まる傾向にあります。

受精しづらくなる場合がある

男性が喫煙していると、精液に含まれる精子濃度や運動率が低下してしまいます。精子の奇形率も非喫煙者と比べて13%上昇するといわれており、これらの精子の異常があると自然妊娠が困難になってしまうのです。

精子検査で異常がみられなくても、精子の受精能が弱くなっていて妊娠に結びつかないケースもあります。また、女性が非喫煙者でも受動喫煙で卵子の質が低下してしまい、さらに妊娠しにくくなるリスクがあります。

胎児の発育阻害

喫煙によって精子のDNAが損傷を受けていると、もし妊娠したとしても流産や死産のリスクになります。また、胎児の体重がうまく増えない出生時低体重児、先天性異常(奇形)などのリスクにもなり得るのです。

また、妊婦が受動喫煙を受けると、20~90%の割合で子宮内胎児発育不全や低体重出生児となるといわれています。子宮内胎児発育不全でも問題なく成長するケースがある一方で、脳性まひや精神発達の遅れにつながるケースもあります。

産後の健康にも影響

タバコは、乳幼児突然死症候群(SIDS)とも深い因果関係があるとされています。SIDSとは乳幼児が何の前触れもなくある日突然死に至るもので、乳児期の死亡原因の第4位となっています。SIDSを予防するための指針として、妊娠中から受動喫煙を防ぐことが強く推奨されています。

タバコがやめられない場合の対処法

タバコをやめたほうがいいと分かっていても、即座にやめるのは困難なものです。タバコをやめられない場合は、どうすればよいのでしょうか。加熱式・電子式タバコの考え方についても解説します。

禁煙外来を受診

長年吸ったタバコを自力でやめるのは非常に困難です。タバコがやめられないときは、禁煙外来を受診して本格的に禁煙に取り組みましょう。禁煙外来では禁煙補助薬の処方やカウンセリングで禁煙をサポートするので、自分の力だけで取り組むより効果的です。自力での禁煙成功率が10%なのに対し、禁煙外来による成功率は70~80%というデータもあります。

禁煙に成功すれば妊活はもちろん、将来の肺がん・COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの病気にかかるリスクを下げるメリットがあります。クリニックによってはオンライン受診が可能な場合もあるので、病院に行く時間がない方はぜひ検討してみましょう。

加熱式タバコ・電子タバコはOK?

普通のタバコと比べて健康的なイメージがある加熱式タバコですが、妊活中の喫煙はやはり悪影響を及ぼします。加熱式タバコはタールの摂取量は減るものの、ニコチンは含まれています。ニコチンは精子の運動率や生存率を下げてしまうことが分かっているので、精子に悪影響を及ぼす点では普通のタバコと変わりがありません。

では、ニコチンを含まない電子タバコはどうでしょうか。ニコチンを含まないので、一見すると妊活中でも問題がなさそうです。しかし、ニコチンなしタバコを1回吸うだけで血流が悪化したというデータがあります。ニコチンなしリキッドはプロピレングリコール・グリセロールを含みますが、これらが蒸気になる段階で有害物質に変化している可能性があるのです。妊活中は、ニコチンなしといえどもタバコは控えたほうがよいでしょう。

タバコを減らせばOK?

精子の損傷リスクを考えると、減らすよりも禁煙が妊活への近道です。妊活にはタイムリミットがあります。その期間中タバコを少量でも吸い続け、タイムリミットを過ぎたあとで「やっぱりタバコが原因だったのでは……」と後悔しても時を戻すことはできません。チャレンジできる限られた時間を有効に使うために、1日でも早く禁煙に取り組むのがベストでしょう。

ベランダで吸えばOK?

ベランダで吸っても、受動喫煙は免れないというデータが出ています。窓サッシの隙間から副流煙が入り込み、妊活中もしくは妊娠中の女性にも影響してしまうのです。また、喫煙してから約3分ほどは吐く息の中に有害物質が残っているため、受動喫煙を防ぐのは非常に困難でしょう。

また、タバコが精子異常や勃起障害などの悪影響を及ぼすことを考えると、受動喫煙だけを防いでも不妊のリスクであることには変わりがありません。

ほかにもある?男性の妊活法

親子

なかなか妊娠できず悩むご夫婦は少なくありませんが、その原因の約半分は男性側にあることが分かっています。男性が積極的に妊活を意識すれば、それだけ妊娠までの期間を短くすることができるかもしれません。ここでは男性ができる妊活法をご紹介します。

クリニックを受診

妊活をはじめるときは、夫婦でクリニックを受診しましょう。男性は精子の数や運動率・奇形率、性感染症の有無などを調べます。なんらかの異常が見られる場合でも、早く発見するほど対応策も見えてきます。最近はご夫婦で不妊クリニックを受診されるケースが増えていますが、抵抗がある場合は男性不妊検査を受け付けている泌尿器科を探すのもひとつの方法です。

飲酒はほどほどに

過度な飲酒は、勃起不全や遅漏などの射精障害につながります。お酒は1~2杯程度を目安にし、飲みすぎないように注意しましょう。

肥満はNG

男性が肥満だと精子異常や勃起不全のリスクを高め、妊娠しづらくなるというデータがあります。肥満体型かそうでないかの目安として、BMIがあります。現在の身長と体重をもとに算出してみましょう。

BMI算出方法
体重kg÷(身長m)²

BMIが25以上であれば、肥満のカテゴリーに入ります。肥満判定の場合はダイエットにチャレンジしましょう。適度な運動・適切な食習慣にシフトしていけば、造精機能の向上が期待できます。

下着は開放的なものを

ブリーフ・ボクサーパンツのような締め付ける下着は、妊活に向いていません。精巣は温度が上昇すると造精機能が低下してしまうので、風通しのよいトランクスなどを履くとよいでしょう。

股間を温めてしまう行為としては、サウナや長湯があります。また、長時間座ったままだったり、バイクや自転車に長時間乗ったりという行為は股間が圧迫されて血流悪化につながります。ときどきは席を立って休憩所まで歩く、長時間の二輪乗車は避けるなどして、血流を改善しましょう。

まとめ

まとめ

精子の状態を良くすると、妊活だけでなく今後の健康にも大きなメリットをもたらす可能性があります。妊活をきっかけに、禁煙をスタートさせてみてはいかがでしょうか。妊活と同時に男女産み分けを検討するご夫婦には、精子検査のみで高精度な産み分けが可能なMicroSort「マイクロソート」の資料請求を無料でご案内しております。女の子の場合で93%と、高精度の産み分けプログラムです。詳しくは株式会社ChromoS(クロモス)の公式ページをご参照ください。

監修

山内香里

山内香里

産婦人科医 / 栄エンゼルクリニック

三重大学医学部医学科卒業。市立四日市病院にて初期研修後、同院にて産婦人科勤務。
現在栄エンゼルクリニックにて産婦人科診療を行う。産婦人科専門医、日本女性医学会会員。

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