【医師監修】産み分けコラム COLUMNS
【医師監修】性別を妊婦検診で知らずにいることは可能?リスクを解説
妊娠が判明した後、やっぱり気になるのは性別。一般的には、妊婦検診にて医師から聞くイメージですよね。ですが「産まれてくるまでのお楽しみにしたい」「できれば事前に知りたくない」と思う方もいらっしゃるでしょう。そんなとき、産むまで性別を知らずにいることは可能なのでしょうか?
そこで今回の記事では、
・性別が分かる時期と方法
・性別を知らずにいることは可能なのか?
・性別を知らないメリットとデメリット
を解説します。
「事前に性別を知らないでおくかどうか?」を迷っている方に向けて、今後の判断の参考になる内容を医師監修のもと、まとめました。
胎児の性別はいつ決まる?性別が分かる時期と方法

そもそも胎児の性別は、一般的にいつ知ることが可能なのでしょうか?
まずは、基本的な人間の性別が決まる流れや判明する時期を見ていきましょう。
胎児の性別が決定するのはいつ?
結論をお伝えすると、人間の性別は「精子と卵子が受精した瞬間」に決まっています。
精子には、
・男の子をつくるY精子
・女の子をつくるX精子
の2種類があります。2種類のうち、どっちの精子が卵子と出会って受精するか?によって性別が決まるのです。人の形に育つ前に、既に性別は決まっているのですね。
胎児の性別を知るのは「妊婦検診」
わたしたちは、どんな流れで胎児の性別を知るのでしょうか?一般的には、「妊婦検診」にて知ることになります。
妊娠すると、医療機関で定期的に母体の健康状態や、胎児の成長の様子などを確認する「妊婦検診」がおこなわれます。その中で「超音波検査(エコー検査)」をします。お腹の上から超音波を当てて、子宮の様子や羊水の量、そして胎児の健康状態などを観察する検査です。そのときに、モニターに映し出される胎児の性器の様子から判明します。
一般的には超音波検査のときに、医師から聞いたり妊婦から尋ねたりして判明するのです。
胎児の性別が判明する一般的な時期とは
妊娠後、どのくらいの時期に性別が判明するのでしょうか?
時期は、早くて妊娠16週目頃(妊娠5カ月目頃)です。性別は、胎児の性器の形で判断します。妊娠16週目頃になると、男の子の性器が作られます。その有無で区別がつくのです。
ですが胎児の姿勢や位置によっては、性器の形を上手くエコーで観察することができないこともあります。その場合は判定が遅れるため、妊娠16週目よりも後になるでしょう。
性別を妊婦検診で知らずにいることは可能?
妊娠5ヶ月目以降に性別は判明しますが、「産むまでのお楽しみにしたいから、事前に知りたくない」という方もいらっしゃるでしょう。その場合、産むまで知らずにいることはできるのでしょうか?
以下、解説を見ていきましょう。
大半の人は妊婦検診時に医師から聞く
ほとんどは、エコー検査の際に「ペニスが見えたので男の子ですね」という風に聞かされることが多いです。ですので、胎児の性別を知ったうえで産む方が大半を占めます。
ですが病院の方針によっては、事前の問診表などで「性別の告知の希望の有無」を問われたり、「性別を知りたいですか?」と医師から確認されたりします。医師の全員が性別を伝える訳ではなく、妊婦側が直接医師に聞かなければ教えてくれない病院もあるのです。
妊婦検診での判定は本当に的中するのか
一般的には5か月目以降には性別は分かるとはいえ、「判定は本当に当たるの?」「判定がはずれることもあるのでは?」と疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論をお伝えすると、「高い確率で判明するが、エコーでの見え方によっては判定がはずれることもある」です。
基本的に性別は、胎児の性器の形で判定します。男女別に判定方法を見てみましょう。
【男の子】
性器の陰茎(ペニス)の有無で判定します。また、妊娠30週目ごろになると陰嚢(睾丸を包む袋)が大きくなるので、陰嚢の有無でも判定できます。シルエットがはっきり見えるので、判定は女の子よりしやすいです。そのため、エコーを見て妊婦が気付くパターンもあるでしょう。
【女の子】
見分け方は、股の間に「木の葉のような形」の大陰唇が見えるかどうか?です。また、エコーで黒い穴がポッカリ2つ開いているように見える「子宮」や、「膀胱」の有無でも分かります。はっきりと分かりにくいのが特徴です。
このように判定しますが、絶対に区別できる訳ではありません。
判定がはずれる原因としては、
・エコーで、胎児の股の部分がハッキリ見えない
・へその緒や手や指がペニスに見える
・羊水が少ない(エコーで全体的に子宮内が見えにくくなる)
などです。
性別は産まれるまでに高い確率で分かりますが、上記の原因などで判定がはずれることもあるのです。
産むまで性別を知らずにいるための方法
前述した通り、高い確率で産まれるまでに性別を知ることができます。そのような中で、産むまでに性別を知らずにいる方法はあるのでしょうか?
最適な方法は、「医師に性別を知らせないように伝えること」です。
妊娠5か月目以降になると、医師はエコーを見て、大半が性別を判定します。そのときに、医師から「ペニスが見えますね」など、うっかり聞くことを防ぐ必要があるのです。
また医師が言わなくても、妊婦がエコー検査時にモニターを見て分かってしまうことも考えられます。対策として、「超音波検査時にはモニターを見ない」や「エコー写真を見ない」などがあるでしょう。
そのようなケースもふまえ、妊娠した時点で担当医に「性別は知らせないで欲しい」と伝えたり、相談したりするとよいです。
性別を産むまで知らずにいるメリット・デメリット

「産むまでのお楽しみにしたいため、知らずにいたい」と思っていても「本当に知らずにいても大丈夫なのか?」「知らないでいるリスクはあるの?」と不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、産むまでに性別を知らずにいるメリットとデメリットを見ていきましょう。
性別を知らずにいるメリット
まずは、産むまで性別を知らずにいるメリットを紹介します。人の考え方は多様なため、そのほかの意見もあるかと思いますが、一般的なメリットを2つにまとめました。
1.産んだ後の楽しみが得られる
大きなメリットは産まれてくるまでに「楽しみ」が得られることです。性別の先入観持たずに、産まれるまでの過程を終始わくわくした気持ちでいられます。
2.服やベビーグッズの買いなおしの心配がない
もし事前に医師から聞いていた性別が違った場合、服やベビーグッズによっては産む前に用意していたなら、買いなおす必要が出てきます。ですが知った後で準備できるため、男女別の服やグッズの用意が確実にできます。
性別を知らないデメリット
続いて、性別を知らずにいることで生じるデメリットを紹介します。大きく3つにまとめました。
1.産後の準備が増える
産後の準備が増えることです。メリットで紹介したように、性別が分かってから用意できるため、買いなおしなどは防げます。ですが、裏を返せば「産後に準備することが増える」ともいえるのです。
2.名前を男女別に考える必要がある
性別が確定しないため、名前の候補を男女別に考える必要があります。産んだ後に性別を見て考えることもできますが、忙しい産後の期間でもある「2週間以内」に考えなければいけません。14日以内に出生届を提出する必要があるからです。
3.先天性疾患の遺伝リスクが予測できない
先天性疾患の遺伝のリスクが事前に予測できないことです。先天性疾患の中には、性別限定で発症する病気もあります。(先天性疾患で男の子のみが発症する例として「血友病」「X連鎖無ガンマグロブリン血症」などがあります)
もし身内にそのような先天性疾患がある方がいる場合は、性別を早めに知ることが大切だといえるでしょう。
まとめ

今回は、産むまでに性別を知らずにいる方法や、そのメリットやデメリットなどを解説しました。
結論として、産むまでに性別を知らずにいることは可能です。メリットとデメリットもふまえて、パートナーとよく話し合って決めるとよいでしょう。
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監修

中林稔
産婦人科医 / 三楽病院産婦人科
日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。
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