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2021.05.29.産み分け

【医師監修】産婦人科でおこなう排卵チェックとは

妊娠を望んで始めた妊活。毎日きちんと基礎体温表をつけ、市販の排卵検査薬を使い、タイミングを図ってはいるものの、なかなか妊娠にいたらない……。そんなときは一度、産婦人科を受診してはいかがでしょうか。

ここでは、産婦人科で受けられる排卵チェックの内容や、クリニックの選び方、費用について解説します。もう少し自分でトライした方がいいの?産婦人科での検査って時間とお金がかかるのでは?など産婦人科の受診をハードルに感じている方は、ぜひ当記事をチェックしてみてください。

産婦人科でおこなう排卵チェック

検査

産婦人科では、不妊治療の一連の基本検査の中で排卵検査をおこなうクリニックや、排卵チェックのみをおこなってくれるクリニックなど受けられる検査はさまざまです。

産婦人科でおこなえる排卵チェックにはどのような検査があるのでしょうか。排卵日を予測できる理由や仕組みを振り返りながら、一つひとつ見ていきましょう。

排卵の一般的な検査方法

まず排卵の検査方法について簡単に説明します。

排卵の前兆は「LHサージ」が見られるかどうかで判断されます。LHサージとは、排卵する36〜48時間前に約1日間だけLHホルモン(黄体形成ホルモン)が大量分泌されること。その分泌の前後が妊娠しやすい時期だと考えられているのです。それまでは血液検査でしかわからなかったLHサージですが、生殖医療の研究が進み尿検査でわかるようになりました。

産婦人科ではどんな検査がおこなわれるのか

検査内容ですが、一連の不妊治療のひとつの検査としておこなう場合と、排卵チェックだけをおこなう場合で方法が異なります。

■不妊治療の一環として血液検査
クリニックにもよりますが、不妊治療の一環で排卵チェックをおこなう場合は、血液検査でさまざまな項目の検査をおこなうことが一般的です。LHホルモンだけでなく、月経のそれぞれの時期に合わせて、その他の女性ホルモン値も確認していきます。その他、一般的な血液検査や、卵管に障害を与えるクラミジア感染の既往がわかる抗体検査、受精・着床に影響を与える抗カルジオリピン抗体の検査、甲状腺機能や糖尿病などを調べる内分泌検査、妊娠中に感染すると母児に問題を起こす可能性のある感染症の検査などのスクリーニング検査も同時に行うことが一般的です。

■頸管粘液検査
頸管粘液とは、子宮頸管から分泌された”おりもの”の一部です。頸管粘液は女性ホルモンの分泌に反応してねばりけや色、のびやすさなどの性状が変化するので、頸管粘液の性状を調べることで排卵期を予測することができます。排卵期が近づくと頸管粘液は無色透明でねばりけの少ないサラサラした性状になるので、精子が頸管内に進出しやすくなります。

■超音波検査
超音波の出る器具(プローブ)を使用して子宮や卵巣の様子をみる検査です。卵胞の発育状態や、子宮内膜の厚さをみるのに有効な検査方法で、診療や治療の段階で頻繁におこなわれます。

排卵のバロメーターのひとつとして、卵胞径や子宮内膜の厚さがあります。卵胞は、月経が終わると約1.5mmずつ大きくなり、直径が20mmほどになると排卵が起こります。子宮内膜が厚くなるのも排卵の兆候。子宮内膜が厚くなるのは、体が着床に備えているからです。

■尿検査
市販の排卵検査薬と同じく、尿検査でLHサージを見て排卵チェックをおこなう方法です。クリニックで検査を行う場合と、市販の検査薬を使ってセルフでおこなう場合との違いは医師の診療があるかないかということです。

尿検査のみでは排卵を確実に予測することは難しいと言われています。月経不順の人や、排卵があっても検査薬が陰性のまま、または排卵がないのに陽性になるケースもあり、不確実です。そのため、クリニックで検査をおこなう場合は、超音波検査などの情報と組み合わせて排卵の時期を予想していきます。

検査にかかる時間と検査結果

ここまで紹介してきた検査は3〜5分で終わるものがほとんどです。血液検査などの検査結果はおよそ1週間くらいでわかりますよ。

産婦人科での排卵チェックの流れ

初めて受診する際は、それまでつけていた基礎体温表を持参することをおすすめします(持って来るように求められることもあります)。これは、正常な排卵があるかをチェックする判断材料のひとつになるものです。

また、産婦人科で排卵チェックをはじめとする不妊治療をスタートしたとしても、基礎体温表は自分でつけておくことをおすすめします。排卵があったかどうか、いつ頃排卵があったかなど不妊治療中に振り返りが必要なケースで、基礎体温表が参考になることがあるからです。

排卵チェックのために通う産婦人科の選び方

まとめ

排卵チェックのために一度クリニックにかかってはみたいものの、今後の不妊治療、妊娠・出産といった先々の行程を考えると産婦人科を選ぶのはとても大変ですよね。
それでは、産婦人科はどのように選ぶのがベターなのでしょうか。

通いやすいこと

妊娠後のことも考えると、産婦人科を選ぶ上で通いやすさは一番のポイントです。妊娠中は急に体調を崩すことも多く、予期せぬ事態が多いもの。不妊治療中にも検査結果を聞きにいったり段階に応じて新たな検査をしたりと産婦人科に通うタイミングは増えてきます。

そのため通いやすさというのはクリニックを選ぶ上で重要なファクターとなります。立地や家・最寄り駅からのアクセスを確認しておきましょう。

クリニックの診療方針

不妊治療を専門とするクリニックは全国に数多くあり、方針や検査方法もさまざまです。産婦人科を選ぶ際はクリニックが掲げている診療方針・不妊治療の方針を事前に確認することをおすすめします。

排卵チェックをクリニックでおこなうメリットのひとつには、受診の際にていねいなカウンセリングをおこなってもらえること。市販の排卵検査薬を使ってセルフで検査していてもわからないこと、不安なことなどを聞いてもらえるので、安心して妊活に臨むことができるはずです。

妊活は自分だけではわからない体の変化など経験したことのないことの連続。患者の事情や希望に寄り添ってくれると心強いですよね。医師がきちんとしたエビデンスに基づいた説明をしてくれるクリニックを選ぶようにしましょう。

産婦人科で排卵チェックなどの検査を受けた場合の費用

診察

市販の排卵検査薬には1箱7〜12回分とさまざまな種類がありますが、商品の価格はおよそ2,500〜4,300円ほどが相場となっています。それでは、産婦人科で一回の検査に必要な金額はどれほどなのでしょうか。

・血液検査(排卵期採血):1,500〜5,000円※
※性感染症・感染症検査などが含まれる場合もある
・頸管粘液検査:400〜2,000円
・超音波検査:1,000〜2,500円
・尿検査:100〜1,000円

上記が排卵チェックに関わる検査の相場です。実際にクリニックにかかると、検査料だけでなく初診料や再診料といった費用が含まれる場合もありますが、一つひとつの検査料はそれほど高価なものではありません。

しかし、不妊治療の一環としてほかにもさまざまな検査を受けた場合は、一連の検査がセットになっていたり、健康保険が適応されない自費検査もありますので、もっと高額になることがあります。また、検査結果を聞きに行く時にも再診料がかかることがあります。

まとめ

産婦人科でおこなう排卵チェックについてまとめてみました。排卵チェックには、基礎体温表での予測や市販の排卵検査薬でのセルフチェックなど、クリニックに行かなくてもさまざまな検査・予測方法がありますが、市販の検査薬でうまくいかなかった、排卵日がいまいちよくわからなかったという方は産婦人科の受診をおすすめします。

排卵日は、今後「男女産み分け」を考えたタイミングにも必要となる情報です。不安をひとりで抱えずに、医師に相談する心持ちでクリニックの門をたたいてみるといいかもしれません。

監修

松本智恵子

松本智恵子

産婦人科医 / フィデスレディースクリニック

滋賀医科大学卒業。京都大学医学部婦人科学産科学教室に入局後、大津赤十字病院、洛和会音羽病院などを経て、フィデスレディースクリニックで勤務。産婦人科専門医、日本女性医学会会員。

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