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2021.03.30.産み分け

【医師監修】体外受精、着床前診断なら産み分けはできるの?


赤ちゃんの男女産み分けを考えはじめて調べ出すと、きっと目にすることの多い「着床前診断」。実際にどういった検査かをご存知でしょうか。

着床前診断とは、体外受精によってできた受精卵の染色体異常を検査・分析するもので、染色体異常に起因する流産の原因を探ったり、産まれてくる赤ちゃんが先天性の遺伝子異常がないかなどを調べることを目的としています。着床前診断における性染色体の検査の過程では、たしかに赤ちゃんが男の子か、女の子かがわかります。

ここでは着床前診断と体外受精について、はたして着床前診断で男女産み分けをおこなえるのかどうかを解説します。

まずは基本。赤ちゃんの性別の決まり方

子ども

赤ちゃんの性別はいつ・どのように決まるのか、まずはおさらいしてみましょう。

人間の性別が決まる瞬間。それは、卵子と精子が受精するときです。受精卵になったあとは、何をどうしたって性別が変わることは決してありません。

私たち人間の身体は細胞で構成されていますが、その細胞の中心には染色体があり、性別をつかさどる染色体のことを性染色体といいます。そして、性染色体にはX染色体とY染色体の2種類があり、受精卵がXYの組み合わせだと男性、XXだと女性が産まれるのです。

卵子がもつ染色体は、X染色体以外にはありえません。そのため、精子がX染色体をもっているのか、Y染色体をもっているのかが赤ちゃんの性別を決定づけるカギとなります。つまり、性別の決定権は精子側がもっているのです。

体外受精と着床前診断

夫婦間のライフスタイルや妊活のタイミング、流産をくり返してしまうなど自然妊娠に至らなかったケースで検討される体外受精やそれにともなう着床前診断。ここではそれぞれについて説明していきます。
体外受精とは
体外受精とは体外で受精卵を作って女性の子宮に戻し、着床を試みる生殖医療のひとつ。排卵直前に取り出した卵子と採精された精子を体外で受精させます。

体内での受精が難しいケース(卵管性不妊や男性不妊など)や、人工授精・タイミング療法からのステップのひとつとして体外受精がおこなわれます。

着床前診断とは

着床前診断とは、受精卵を調べて遺伝的に異常のなかったものを子宮に戻す技術のことをいい、体外受精によって検査がおこなわれます。

着床前の受精卵に対して染色体や遺伝子の異常を解析し、染色体異常による流産についてを調べる検査でもあるため、体外受精を考え始めたステップで「着床前診断ってどうなんだろう」と気になりだす人もいらっしゃるかもしれません。

妊娠は、受精卵が子宮内膜に着床することではじまります。着床前診断では赤ちゃんに遺伝的な疾患がないか、また染色体異常による流産の可能性がないかなどを調べるために臨床的に利活用されています。

日本においては着床前診断を「命の選別」ととらえる向きもあり議論もおこなわれていることから、医療行為として受けられる着床前診断には制限があります。また、男女産み分けを目的とした着床前診断は日本では認められていません。

着床前診断が受けられるのは、日本産科婦人科学会が認可した施設でのみ。つまり国内では着床前診断は誰でも受けられる一般的な検査ではないのです。

着床前診断の種類

子ども

着床前診断には以下の3種類の検査があります。各検査や対象についてみていきましょう。

・PGT-A(Preimplantation genetic testing for aneuploidy):着床前胚染色体異数性検査
異常のない染色体を子宮に戻すことによって着床率を上げ、染色体異常による流産を防ぐことが期待され、「臨床研究」という形でおこなわれる検査。胚の染色体数をすべてくまなく検査・解析するものです。

・PGT-SR(Preimplatiton Genetic Testing for Structural Rearrangemen):着床前染色体構造異常検査
過去に2回以上流産をくり返している方を対象としておこなわれます。特定の染色体同士の構造の異常を調べ、染色体異常による流産の可能性を検査して予防につなげるものです。

・PGT-M(Preimplatiton Genetic Testing for Monogenic):着床前単一遺伝子疾患検査
夫または妻が保因する、特定の単一遺伝子疾患が産まれてくる赤ちゃんに継承しないことを目的とした検査です。

着床前診断で男女産み分けはできる?

結論からいうと、着床前診断では受精卵段階の赤ちゃんの性別がわかります。これは染色体検査の過程で性染色体について調べるためです。

着床前診断では異常の見つからなかった胚盤胞を子宮に戻すので、その際に希望する性別をもった受精卵のみを子宮に戻すことで男女の産み分け自体は可能といえるでしょう。

しかし、男女産み分けを目的とした着床前診断は日本では認められておらず、対象となる方の条件が定められています。また、対象者になったとしてもクリニック独自の指標により男女の性別を公表しないとしているところもあります。

着床前診断の対象者

着床前診断は、日本産科婦人科学会によりその範囲となる対象者が定められています。

現在日本の着床前診断の対象者となるのは、「過去に2回以上流産をくり返している(習慣流産)」「胚移植に2回以上成功していない(反復ART不成功)」「ご夫婦のいずれかに染色体構造異常がある」という条件にあてはまる方。
※さらに医師の判断が必要となります。条件にあてはまる人すべてが受けられるわけではありません。

2021年2月の審議会ではこの対象を拡大する最終案がまとめられるなど、その範囲は現在も議論がおこなわれています。

着床前診断にかかる費用は高額

クリニックや検査内容によって細かくは異なりますが、日本産科婦人科学会の認定を受けたクリニックの場合で着床前診断にはおよそ50万〜80万円かかるといわれています。

ファミリー・バランシングやライフプランを考えどうしても着床前診断を受けたいという方は海外渡航して診断を受けるケースも少なくなく、そうなると海外での検査費用200万〜500万円にさらに渡航費や滞在費が加わる形となり、たいへん高額となるのです。

受けられるクリニックが少ない

日本において、着床前診断は日本産科婦人科学会が認可したクリニックでのみ受けることができます。認定には信頼のある治療実績、安心のカウンセリング体制、受精卵の培養技術などが求められますが、異常のなかった胚だけを戻すという着床前診断そのものの性質上、受けられるクリニックは全国的にみても少ないといえます。

また大前提として男女産み分けを目的とした着床前診断は、日本のクリニックにおいては認められていません。つまり男女産み分けを希望したときに着床前診断を考えるのは、現実的ではないといえるでしょう。

まとめ

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男女産み分けの観点から体外受精と着床前診断ついて解説してきました。日本における着床前診断での男女産み分けは、費用面や設備面、現在の制度からみても選択肢とするにはハードルが高いことがおわかりいただけたのではないでしょうか。

男女産み分けをお考えでしたら株式会社ChromoS(クロモス)のMicroSort「マイクロソート」を検討いただくこともおすすめします。
ただし、ChromoS(クロモス)の提供するMicroSort「マイクロソート」は精子のみの検査で赤ちゃんの性別を判別し、セルフシリンジ法による人工授精という方法で実施していただくものです。ご自身でタイミングを取っていただき、排卵に合わせて精液を子宮に注入していただくため、自然妊娠が難しい方はご利用がいただけません。

しかし、不妊でない方にとっては着床前診断をおこなうよりも現実的な値段で男女産み分けに臨める選択肢と言えます。

妊活や不妊治療は、ステップによって妊娠・治療方法が異なってきます。クリニックや担当医と相談しながら、ご自身の希望に合った方法を探してみてください。

監修

中林稔

中林稔

産婦人科医 / 三楽病院産婦人科

日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。

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