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2021.03.26.産み分け

【医師監修】年齢と自然妊娠率の関係性からみる「30代からの妊活」で大切なこと

昨今の晩婚化にともなって、30代を過ぎてから妊娠を望むご夫婦が増えています。

総務省が発表したデータによると、女性の就業率は2018年に過去最高ポイントを記録。社会のなかで働き方や結婚観が多様化していることから、「必ずしも20代で結婚しなくてもいい」と考える男女が増えているのは事実です。

そんななか、たとえばこんなご夫婦のケースが増えています。
30代後半に差しかかって結婚。高年齢出産に不安を感じている妻はすぐにでも不妊治療にふみ切りたいのに、夫が消極的な態度でなかなか治療を始められない……。

この記事では加齢と自然妊娠率との関係や、加齢による婦人科系疾患などについて解説していきます。妊活のスタートやご夫婦での話し合いにあたり考えるべき内容です。

・人工授精の実施手順
・金額等の詳細
・デメリットや注意点

を医師監修のもと、なるべく難しい専門用語を分かりやすく解説します。

最後までお読みいただくと概要が分かり今後の選択肢やヒントが得られます。

データからみる加齢による出産率の低下

子ども

女性の妊娠する力のことを妊孕性(にんようせい)といいます。女性は加齢によってこの妊孕性が低下するという研究結果が出ているので、ご紹介します。

17〜20世紀のアメリカ、ヨーロッパなど10か所で女性の年齢とそれにともなう出産数の変化を調べた研究によると、出産数には下記のような変化があらわれることがわかりました。

・30歳から:少しずつ低下
・35歳から:出産数の低下がより顕著に
・40歳から:急激に減少

つまり出産率は、30代になると下がりはじめさらに加齢にともなってどんどん低下していきます。回復することはありません。

またこのデータの特徴のひとつとして、17世紀から20世紀にかけて平均寿命がのびているにもかかわらず加齢による出産率の低下傾向は変わらないという点。これは、平均寿命がのびても年齢ごとの妊孕性の低下は変わらないという事実を示しています。

また、日本生殖医学会のホームページによると、不妊の頻度は年齢別で下記のような結果が報告されています。

・25~29歳:8.9%
・30~34歳:14.6%
・35~39歳:21.9%
・40~44歳:28.9%

2020年7月に厚生労働省が発表した日本人の平均寿命は、男性が約81歳、女性が約87歳。平均寿命がのび、また晩婚化も進む状況は、出産年齢が高齢化してきているとはいえ必然的に不妊症を増加させているといえるでしょう。

授かる可能性は?タイミング法と妊娠の確率

まずはタイミング法の特徴と授かる確率についてです。

■タイミング法とは
排卵日付近にSEXし、受精の可能性を高める妊活方法。

授からない時期が長期間続くと、不安や焦りが出てくるかと思います。一般的にはタイミング法でおこなったSEXで授かる確率は、1回あたり約30%程度。

よって1年間妊活を続けると、約90%妊娠すると考えられています。そのため、1年以上授からない場合は「不妊症」と呼ばれています。

加齢によって自然妊娠率が低下するワケと、周産期死亡率

妊娠

年齢を重ねるとともに出産率が低下することを説明してきましたが、実際身体にどのような変化が起こっているのでしょうか。加齢による変化と、自然妊娠率が低下する理由について解説します。

子宮の老化

妊娠は、受精卵が子宮内膜に落ち着く(着床する)ことではじまりますが、着床率は年齢とともに低下していくことがわかっています。これは加齢による子宮の老化によるもので自然な現象です。しかし、これによって20代と比べると30代、40代の早期流産率が高くなり、出産率の低下につながっています。

卵子数の減少

女性は生まれる瞬間にも卵子を持っていて、これを「原始卵胞」といいます。この原始卵胞は時間とともに少しずつ減少していき、発育可能な卵胞の数も減っていきます。このことから、加齢による卵子数の減少が妊娠率の低下につながるといえます。

赤ちゃんの死亡率が上昇

妊娠年齢が上昇すると、周産期死亡率も上昇するといわれています。周産期死亡率とは、妊娠22週以降の胎児および生後1か月以内の新生児の死亡率のこと。厚生労働省の人口動態統計(平成22年)によると、これがもっとも低いのが25〜29歳だとわかり、30歳以降は徐々に増加することがわかっています。

婦人科系疾患のリスク

加齢によって自然妊娠率が低下することを説明してきましたが、前述した子宮の老化は婦人科系疾患の罹患(りかん)率が高まることとも関係しています。ここでは、代表的な婦人科系疾患と不妊の関係について解説します。

卵管炎

子宮とつながっている卵管。卵管には排卵された卵子の取り込み、卵子と精子の受精、精子の通り道、受精卵の発育、胚の輸送といった妊娠のためのさまざまなはたらきがあり、生命の誕生に大事な役割を果たす器官です。

卵管炎とは、卵管と卵管周囲の炎症によって、卵管が狭まる、ふさがる、癒着などが起こること。卵管が正常にはたらかなくなると、自然妊娠ができなくなり不妊につながるのです。

子宮筋腫

卵巣から分泌される女性ホルモンによって、子宮の壁にできた腫瘍(良性)の筋肉が増大すること。子宮筋腫はめずらしい疾患ではなく、30歳以上の女性の3〜4人に1人という確率でみられるといわれています。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

子宮筋腫は30〜40代に多く、加齢とともに罹患率が増加します。また歳を追うごとに筋腫自体が大きくなっていくため、胚の着床や成長を阻害するといわれています。

子宮内膜症

本来は子宮の内側にできるはずの子宮内膜が、それ以外の場所でできて発育してしまう疾患です。子宮内膜はそもそも生理と深い関係があり、生理はその周期に使わなかった子宮内膜がはがれて外に排出される現象です。

内膜症は卵巣や子宮筋層内などでできることが多く、子宮内腔以外でできた子宮内膜は通常のもの違って自然に排出されることはありません。そのため、新たな炎症を起こしたり、周囲の組織と癒着することで痛みを引き起こしたりします。生理の血の排出を妨げたりすることも。

子宮内膜症の代表的な症状は、痛みと不妊。最近では、未婚や晩婚の増加によって女性が生涯で経験する生理の回数が増えていることから、発症率も高まっているといわれています。完治がむずかしい疾患であることも特徴で、早めの診断や定期的な検査が必要です。

30代以降の妊活で大切なこと

妊活

30代以降の妊活では、ご夫婦でできるだけ早めに婦人科へ足を運ぶことが大切。これは加齢によって低下している妊娠率やそれにともなうリスクを早めに認識するためです。

日本産科婦人科学会では35歳以上の初産を「高齢出産」と定めていますが、最近では女性の社会進出や晩婚化が進みこの高齢出産が増加しています。

たとえば芸能人が40代以降に出産するなどしてニュースになっているのを見たことがありませんか?こういったニュースを見て、高齢出産に対してハードルが下がっていると感じる方、安心感をもつ方がいらっしゃるかもしれません。女性に限ったことではなく、男性側も「あの人が産んでいるんだから大丈夫だろう」と楽観視してしまうかもしれません。

しかし、高齢出産が増加したところで、妊孕性が高まっているわけではないということを忘れてはいけません。また、高齢出産には染色体異常のリスクもあると指摘されています。

まずは、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

まとめ

加齢による自然妊娠率の低下や婦人科系疾患によるリスクについて解説しました。年齢を重ねることによって身体と同様に子宮や卵子は老化していき、また卵管炎や子宮筋腫、子宮内膜症などのリスクも高まるため、自然妊娠率は低下することになります。

30代以降で妊娠を希望されるご夫婦のなかには、ファミリーバランシングを考えたり男女産み分けを希望される方も多くいらっしゃると思います。

株式会社ChromoS(クロモス)が提供する男女産み分け法、MicroSort「マイクロソート」は精子のみでおこなえる検査ですが、自然妊娠ができることが必要となります。少しでも選択肢を広げておくためにも、早めに婦人科を受診されることをおすすめします。

監修

中林稔

中林稔

産婦人科医 / 三楽病院産婦人科

日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。

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