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2021.03.25.産み分け

【医師監修】妊活中も葉酸は摂るべき?葉酸の必要性を解説します!

「妊娠をしたら葉酸を摂るという」話は聞いたことのある方も多いでしょう。しかし妊活中にも葉酸が必要なのかどうか、分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、妊活中にも葉酸の摂取が必要なのか、その理由について解説します。

そもそもなぜ葉酸が必要なの?

葉酸

まずは、妊活だけでなく妊娠すると葉酸の摂取がなぜ必要になるのか、妊娠と葉酸の関係性について解説します。
葉酸は胎児のDNA合成に必須の栄養素
葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種で、細胞増殖に必要なDNA合成に関与していることがわかっています。妊娠前4週から妊娠12週まで葉酸サプリメント400mg、つまり1日0.4 mgを摂取することが推奨されています。
葉酸は後述する食品からも摂取することが可能ですが、不足しがちなためサプリメントからの葉酸摂取が推奨されています。

葉酸不足によって起こりうるリスク

葉酸をなぜ摂取しなければいけないのでしょうか?最大の理由は、葉酸によって胎児の神経管閉鎖障害のリスクが低減すると分かっているからです。

神経管閉鎖障害とは二分脊椎、無脳症、脳瘤という病気の総称で、妊娠6週頃、いわゆる妊娠初期に発症して、脳と脊髄の働きに影響を及ぼします。二分脊椎の場合には出生後に手術や諸々の治療をすることが必要であり、さらに、生涯にわたってリハビリテーションも必要になります。治療やリハビリによって生命を維持していくということは可能です。また、脳腫においては、手術で腫瘍を摘出したとしても、神経系の障害を残す可能性がありますが、こちらも生命を維持できます。
しかし、無脳症であった場合には、生命を維持して言うことすら難しいことが分かっています。
そのため、胎児が生まれた後にこれらのリスクを回避するため葉酸の摂取が必要となるのです。

葉酸をサプリメントで摂ることが必要な理由

葉酸は、えだまめ、モロヘイヤ、焼きのり、レバー類など私たちが普段の食生活でも摂取する食品に含まれています。それならば、これらの食品を積極的に摂ればサプリメントを使用しなくても良いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、普段の食事に加えてサプリメントからも葉酸を摂取しなければならないのには2つの理由があります。
1つは、葉酸の生体利用率が低いことです。葉酸は小腸からモノグルタミン酸という物質に形を変えて吸収をするのですが、このモノグルタミン酸に形を変えるまでの消化、代謝の過程でさまざまな影響を受けます。そのため、全ての食品が一定量の葉酸を体内に吸収させることができるわけではなく、生体での利用率が不安定であることが特徴です。とある研究によると食品から摂取した葉酸の生体利用率は25~81%と報告されており、この報告からも、葉酸の利用率にばらつきがあるということが分かります。

もう1つは、適切な摂取量です。
そもそも葉酸は先ほどもお伝えしたように、水溶性ビタミンです。水溶性ビタミンは水に溶ける性質があり、体内で蓄積しておくことはできません。そのため毎日摂ることが必要です。
しかし、生体利用率が不安定ということもあり、どのくらい食品から葉酸を摂取すれば胎児の健康に影響を与えるのかがわかりにくいのです。
もちろん、食事のみの葉酸摂取でも先ほどご紹介したリスクが回避できたという報告はあります。
しかし、どのくらい葉酸が含まれている食品を摂取すればさまざまなリスクを回避することができるのかといった十分な根拠はありません。

このことから、葉酸は食品だけでなくサプリメントも活用して効率よく摂取することが望ましいと考えられているのです。

妊活中も葉酸の摂取は必要?

サプリ

葉酸が胎児にとって重要な栄養素であるということや、妊娠中に葉酸を摂ることが重要であるということもお分かりいただけたかと思います。
ですが、妊娠にまだ至っていない妊活中の女性にも葉酸の摂取は必要となるのでしょうか。

日本では妊娠中に葉酸を摂取できている人が少ない

実は、日本は欧米諸国と比べると神経管閉鎖障害をもって生まれてくる赤ちゃんが多いです。とある調査において、妊娠初期からの葉酸摂取において神経管閉鎖障害のリスクが軽減することがわかってから、日本でも妊娠前からの積極的な葉酸摂取を推奨してきました。しかし、妊娠女性の葉酸サプリメントの摂取は10〜20%程度にとどまっており、いまだに神経管閉鎖障害の発症率は低下していません。
胎児の神経系細胞の増殖や分裂が活発になるのは妊娠初期の妊娠4週から12週くらいまでです。
そのため、葉酸の摂取は早ければ早いほど良いと考えられています。

妊活中から葉酸の摂取を推奨

厚生労働省や日本産婦人科学会では、葉酸を妊娠する少なくとも1か月以上前からの摂取を推奨し、少なくとも妊娠3か月目くらいまでは摂取するようにとしています。その理由はこれまでご紹介してきた、神経管閉鎖障害の発症する時期にあります。

神経管閉鎖障害は受精後4週後にはすでに発症しているということが分かっています。受精後4週というと、人によっては生理が遅れているなと感じて妊娠検査薬を使用し始めるタイミングです。このタイミングで妊娠が発覚して慌てて葉酸を摂取し始めたとしても、時すでに遅しということになってしまうのです。
これを避けるために、妊娠を意識しだしたタイミングでの葉酸摂取が望ましいとされています。
妊活を開始している方、あるいはこれから妊活を使用と考えた時にはまず赤ちゃんの健康を守るためにも、葉酸の摂取を開始するということから始めてみてください。

妊活中と妊娠中では葉酸の摂取量が違う!過剰摂取にご注意を

実は葉酸の摂取推奨量は妊娠中と妊活中では異なります。
日本人の食事摂取基準2020年版によると、妊活中の必要な葉酸摂取量は1日240μgとされているものの、妊娠中の場合は1日480μgとされており、妊活中ならば妊娠時に摂取すべき葉酸の摂取量の半分で良いのです。
妊活中でも将来の胎児へのリスクをと考えて葉酸を多量に摂取してしまうと、過剰摂取へとつながります。
葉酸を過剰に摂取すると葉酸を摂取している女性側には、神経障害、発熱、じんましんなどの過剰症がおこるとの報告があります。
また、過剰に葉酸を摂取している状態で妊娠して、出産をした場合、神経管閉鎖障害のリスクは回避できるものの、小児喘息の発症リスクが上昇することが考えられています。
そのため、妊活中も妊娠中も葉酸は適正な摂取量を守って摂取しましょう。

妊活中におすすめの葉酸サプリってあるの?

サプリの保管法

将来の子どもの健康を願って服用する葉酸サプリ。どうせなら、よりよいものを口にしたいと思うかもしれません。妊活中におすすめな葉酸サプリはあるのでしょうか。

現在日本で販売されている葉酸サプリならどれでもOK

独立行政法人国民生活センターが首都圏で販売されている葉酸サプリおよび大手通販サイトで販売されている葉酸サプリについてテストをした結果、ほとんどのサプリメントが栄養表示基準に準拠しており、誤差もないことがわかりました。

そのため、現在日本のドラッグストアで売られているものや通販サイトで購入できる葉酸サプリでしたらどれを使っても、神経管閉鎖障害を防ぐことができるのです。
ただし、葉酸サプリによっては1粒で必要摂取量を大幅に超えてしまい、過剰摂取となるリスクを秘めているものもあります。
ですので、特に妊活中の方は1粒で過剰摂取とならないように1粒あたりの葉酸含有量をチェックして購入されることがおすすめです。

保存状態には要注意

どのサプリを使っても問題なはいのですが、保存の仕方には注意が必要です。
先ほどの独立行政法人国民生活センターの研究においても、正しい保存方法をしなかった場合、賞味期限近くまでその効果を維持できないことがあるとしています。
そのため、説明書や添付文書に記載されている保存方法に準拠するようにしましょう。
通常の葉酸サプリは毎日服用していれば賞味期限近くなる前に服用を終えることができるのですが、以前の妊娠時に使っていた葉酸サプリが賞味期限に達していないのでもう一度活用するなどといった場合、保存方法が適切でなければ新しい葉酸サプリを使用することが良いといえるでしょう。

まとめ

妊活をしてせっかく子どもをもうけることができたとしても、葉酸を摂取していなかったばかりに、子どもにさまざまなリスクを背負わせることになってしまうかもしれません。
妊活を始めるタイミングで葉酸を摂取しましょう。

監修

一倉絵莉子

一倉絵莉子

産婦人科医 / 六本木ヒルズクリニック

日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員
日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。

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