【医師監修】産み分けコラム COLUMNS
【医師監修】性感染症とは?妊活前に性感染症の検査をするべき理由
妊娠を希望し、いよいよ妊活を開始しようとする際に、性感染症(性病)の検査をしたほうがいいと聞いたり、すすめられたりしたことはありませんか?
違和感や症状がないことから「検査なんて必要性ない」と思われる方も多いかと思いますが、性感染症は無症状なことが多く、さらに妊娠・出産に大きな影響を与える疾患なんです。
今回の記事では、なぜ妊活の前に性感染症検査が必要なのかをはじめ、性感染症が妊娠・出産に与える影響と、実際はどのようなことをチェックするべきかなどについて詳しく解説します。
性感染症とは

皮膚や粘膜の接触によって感染する疾患をまとめて「性感染症」といいます。「Sexually Transmitted Diseases」の頭文字をとって「STD」、また「Sexually Transmitted Infections」から「STI」などとよばれることもあります。
性感染症には、もっとも患者数の多いクラミジア感染症をはじめ、淋菌感染症、梅毒、尖圭コンジローマなどの種類があります。最近では若年層の性感染症患者が増加し、社会問題にもなっているんです。
性感染症の原因
性感染症の主な原因は性行為です。皮膚や粘膜の接触、キスによって感染します。風邪やその他の感染症のように飛沫感染や空気感染でおこることはありません。
性感染症の症状
性器周辺の違和感が主な症状です。具体的には、かゆみ、かぶれ、痛み、できものがおこります。病気の種類や症状の進行によっては、全身に湿疹が広がったり皮膚のかぶれや発熱がおこることもあります。
自覚症状には個人差があり、無症状で病気が進行することもめずらしくないのが性感染症の特徴。そのため、自分が知らないあいだに人にうつしてしまう可能性もあります。
性感染症の予防
性感染症を予防するには、信用に足る人以外と性行為をおこなわない、性行為の際(オーラルセックスを含む)には必ずコンドームを正しく使用する、定期検診にかかるといった対策があります。
性感染症の予防は、自分自身を守るだけではなく相手を守ることにもつながります。正しい知識を身につけ、日頃から意識して予防することが必要です。
妊活を始める前に性感染症検査をした方がよい5つの理由

性感染症は、自覚症状がないからといって放っておいていいものではありません。検査をした方がよい理由のひとつは、性感染症が不妊の原因になりうるからです。また、性感染症に罹患した人が赤ちゃんを出産すると赤ちゃんにも感染してしまいます。
妊活の前に性感染症検査をした方がよい理由は下記の5つです。
1.今後のライフプランを立てるため
2.妊娠を妨げる原因を知るため
3.(性感染症があった場合)早期発見、治療ができるため
4.健康な赤ちゃんを出産するため
5.性感染症は無症状な場合が多いため
妊活前にはパートナーとともに性感染症検査をすることをおすすめします。
赤ちゃんへの影響
女性が性感染症に罹患した状態で出産すると、赤ちゃんにも感染してしまいます。たとえば出産時、産道を通る時に感染し、新生児に肺炎や結膜炎を起こすことがあります。
早期発見・早期治療が必要
性感染症で大切なのは、早めの治療です。治療を早くおこなうことで症状の悪化を防ぐことができます。そのためには性感染症の早期発見が必要となります。
また性感染症の検査・治療をおこなう場合は、自分だけでなくパートナーも同じタイミングで検査をおこなうことが重要となります。なぜなら自分が治療したとしても、パートナーが治療をしなければ再感染をくり返すことになるからです。
性感染症に少しでも思い当たることがあれば、早めの検査をおすすめします。
妊活前、何をチェックすればいい?
性感染症について説明してきましたが、それでは妊娠を望んだらどのようなことをチェックすればいいのでしょうか。
一般的なチェック項目
女性の場合は、母体が赤ちゃんに感染する病気をもっていないか、妊娠・出産に影響のある病気がないかという点を主に検査します。具体的には、血液検査や性感染症の検査をはじめ、子宮頸がん検査、甲状腺機能の検査などさまざま。
男性の場合は、性感染症検査、精液検査などをおこないます。
いずれにせよ、男性・女性どちらも検査を受けることが重要となります。
性感染症の検査項目と費用
ここでは、患者数の多い主な3つの性感染症と、検査の費用について紹介します。
医療機関によっては、いくつかの感染症検査をセットで受けられるメニューが用意されているところも。気になる検査はまとめて受けるのもおすすめです。
■クラミジア感染症
日本でもっとも患者数の多い性感染症。潜伏期間は1〜3週間で、自覚症状が少ないのが特徴です。感染が広がると不妊、子宮外妊娠の原因になります。赤ちゃんへの感染もみられます。
・検査 血液検査または頸管粘液検査
・費用 2,000〜4,000円
■淋菌感染症
日本ではクラミジア感染症の次に患者数が多い感染症です。潜伏期間は3〜10日。男性の場合は排膿は排尿痛があるため、自覚しやすいことが特徴です。女性の場合は不妊の原因になり、赤ちゃんへの感染もみられます。
・検査 血液検査または頸管粘液検査
・費用 3,000〜4,500円
■梅毒
梅毒トレポネーマという病原体による感染症で、近年感染者が急増しています。幅広い年齢層の感染者がいるのが特徴で、HIV感染の同時感染もみられることもあるとされています。妊娠中にかかると早産や死産の原因ともなり、赤ちゃんにも感染します。症状は長期にわたり、重症化する可能性も。早めの治療が必要となります。
・検査 血液検査
・費用 3,000〜5,000円
MicroSort「マイクロソート」を受けるには、感染症の事前検査が必要
われわれ株式会社ChromoS(クロモス)が提供しているMicroSort「マイクロソート」は、精子検査のみでおこなえる男女産み分け技術です。
・精液を採取して弊社に持ち込み
・海外の専門機関で検査
・希望される性別の精子を分類
・ご自宅にお届けし、セルフシリンジ法で妊娠に臨んでいただく
おおまかな検査の流れは上記のとおりですが、この検査に進んでいただくためには、ChromoS(クロモス)が提携する外部の検査機関・GME医学検査研究所様での検査が必要となります。
MicroSort「マイクロソート」の実施前に必要な検査
MicroSort「マイクロソート」の実施前には、感染症(HIV、B型およびC型肝炎、梅毒)の事前検査が必要です。GME医学検査研究所様での血液4種検査を受けていただくことになります。事前検査は郵送で実施が可能です。外装からは中身を特定できないよう、配慮したうえで発送されますのでご安心ください。感染症検査の結果をお客様自身で確認いただき、弊社に報告していただく流れとなります。
GME医学検査研究所様での血液4種検査を一般的におこなう場合の費用は下記のとおりです。
・スタンダードパッケージ 8,370円(税込)
・ローコストパッケージ 7,250円(税込)
MicroSort「マイクロソート」の1回分キット(447,000 円〈税別〉)にはこの事前におこなう感染症検査用の検査キットも含まれているので、一度に感染症検査を受けることが可能です。
まとめ

性感染症の特徴や、妊活を始める前に性感染症検査をするべき理由について解説してきました。大切なのは早期発見と早期治療。また治療にあたってはパートナーとともに治していくことが重要になります。妊娠への不安要素をひとつでも減らすため、また健康な赤ちゃんを出産するため、妊活は性感染症の検査からスタートしてみてください。

監修

一倉絵莉子
産婦人科医 / 六本木ヒルズクリニック
日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員
日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。
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